本日、外為市場では USD(米ドル)が再び強さを示し、対ユーロや対円で反発傾向にあります。直近では欧州景況感の低下とともに、リスクオンからやや警戒ムードに転じ、ドルの安全資産・キャリー分裂の反転が目立ちました。私もこの15年間、米ドル強弱を絡めた通貨ペアの転換局面を何度も見てきました。
What Just Happened
具体的に、EUR/USD(ユーロ/米ドル)は1.15近辺で抵抗を試す動きとなり、米ドル指数(DXY)が100を上回る水準で推移しているとの報道があります。また、欧州での景気指標が予想を下回るというニュースが、ユーロ売り・ドル買いを促進した格好です。市場では、「ドル安」期待が薄れ、「ドル高」への転換シグナルと見なされつつあります。
Reading Between the Lines
表向きには「ドルが買われた/ユーロが売られた」という構図ですが、私の経験から言えば、それ以上に注目すべきは ドル強化の裏にある欧州リスクの再浮上 です。ユーロ圏でのインフレ鈍化・景気後退懸念が、ユーロを持つポジションに対する警戒感を強めています。さらに、ドル高は米短期金利や米債利回りの上昇と相関しやすく、キャリー取引の巻き戻しが進んでいる可能性もあります。多くの見出しは「ドル強い」とだけ書きますが、今回のテーマは「ユーロ=弱い」という構図の方が深掘りすべきです。

Trading Takeaways
- ユーロ/ドルをメインに取るなら、1.15付近での反発抵抗を意識しつつ、ブレイクしたらショート検討の候補になります。
- ドル/円(USD/JPY)でもドル買い方向に動きやすく、153水準近辺なら押し目買いの候補ですが、ドル高が続けば158近くまで視野に入るかもしれません。
- リスク管理として、ドル買いポジションにはユーロ圏経済指標の悪化リスクを織り込む必要があります。景況感の更なる悪化、政策金利の引き上げ停止・緩和リスクも頭に入れておきましょう。
Looking Ahead
私の見通しでは、短~中期的にはドルの優勢傾向は継続しやすく、ユーロ/ドルは1.14下抜けの可能性も視野に入ります。ただし、米国のインフレ・雇用指標が予想を大きく上回って、米金利の追加上昇が出ない限り、「ドル高の勢い」には限界もあります。来週以降、米雇用統計と欧州中央銀行(ECB)の発言には特に注目しています。
