東京からロンドン時間にかけて、ドル円は押し目を作りながらも下値を切り上げる展開となった。特段のサプライズ材料があったわけではないが、米国債利回りの上昇とともに、ドル買いがじわりと優勢になった。
一方で、市場参加者の多くが注目していた日本当局からの明確なメッセージは見られず、「警戒はしているが動かない」という空気が、逆に円売りを後押しした印象だ。
見落とされがちな視点
ヘッドラインでは「ドル高」「円安進行」と簡潔に語られるが、私はその裏にある“安心感”に注目している。市場は、当面は急激な政策変更や為替介入は起きにくいと判断しているようだ。
過去を振り返れば、2013年や2022年にも同様の「沈黙の時間」が存在した。そうした局面では、ファンダメンタルズよりもポジションの偏りが、値動きを加速させることが多かった。

実務的な示唆
短期的には、ドル円はボラティリティが高まりやすい局面にある。特に、米国の経済指標や要人発言が出た瞬間に、ストップを巻き込んだ急変動が起きやすい。
私自身の経験から言えば、このような局面では「方向性を追いかけすぎない」ことが重要だ。エントリー水準とリスク管理を明確にした、戦術的なトレードが求められる。
今後の見通し
今後の焦点は、日銀がどのタイミングで言葉を強めるのか、あるいは実際の行動に踏み切るのかだ。それまでは、ドル円は市場心理に振らされながらも、高値圏での不安定な推移が続く可能性が高いと見ている。
