エネルギー市場では、原油価格が調整色を強めている。地政学リスクが完全に消えたわけではないにもかかわらず、市場の関心は次第に「世界経済は減速するのか」というテーマへ移りつつある。
私は20年以上、原油市場を追い続けてきたが、需給以上に“景気の空気感”が価格を動かす局面は、周期的に訪れる。
足元の材料
直近の取引では、原油価格が戻りを試す場面もあったが、上値は限定的だった。米国や中国の経済指標が強弱まちまちとなり、市場が一方向に傾ききれない状況が続いている。
また、投機筋のポジション調整も進んでおり、「強気一辺倒だった流れ」が一度リセットされつつある印象だ。

本質的な変化
表向きは「需要懸念」が語られているが、私にはそれ以上に「不確実性への疲れ」が見えている。市場参加者は、強いストーリーに賭けるよりも、一旦リスクを落とす選択をしているようだ。
2018年や2020年初頭にも、似たような空気を感じたことがある。そうした局面では、材料がなくても価格は下方向に傾きやすい。
現場目線での対応
短期的な原油トレードでは、トレンドフォローよりも戻り売りやレンジ戦略が機能しやすい環境だと感じている。特に、在庫統計やOPEC関連のヘッドラインには、過剰反応が起きやすい。
経験上、このような相場では「静観も戦略の一つ」だ。
中期的視点
今後は、実際の需要データと市場の景気観測が、どの程度乖離するかが鍵となる。
